直前の投稿「山頂と空の青さ」と同じ日同じ場所の津野岳登山です。この日は本当にいい天気で,こんな気持ちのいい日に山登りが出来るなんて贅沢な仕事…と言い合いながら楽しく登山しました。外気は0.5℃というのに太陽さんがあたっている場所はポカポカで,質の高い昼寝が出来たことはいうまでもありません。大層心地のいいある日でした。
前投稿記事3枚目写真を撮る姿を撮る 左奥:市房山 中央右奥:霧島連山 |
アセビの花芽と青空 津野岳山頂直下 |
あかぎ通信は九州大学宮崎演習林の職員が,日々演習林での仕事の様子や出来事などを公開するページです. あかぎとは,宮崎演習林内に多く生息するヒメシャラと言う樹木の方言です. みなさまのご来演をお待ちしています.
宮崎演習林では3か所で気温を測定していますが、そのうちの1か所が演習林で1番高い山、津野岳(江代山)です。年2回、津野岳に登って気温を測定している機器のデータ回収や電池交換、メンテナンス作業などを行っています。
つい先日、その気象関係の業務のため津野岳に行ってきたのですが、とても天気のいい日で気が付けば空の写真を大量に撮っていましたので、1部を紹介します。
中腹から尾根を目指した時もふと青空が目に入ります |
尾根から山頂へ |
山頂から頭上を撮るときれいな色合い |
たまには空を見上げてのんびりすることで、コロナ渦のストレスも緩和できるかもしれませんね。
ちなみに肝心の津野岳の温度はなんと0.5℃!今後ますます冷え込みが続くと、年明けには例年-10.0℃程度まで下がります。寒さにはみなさんもお気を付けください。
12/17(金)山内(耕)
10月23-24日に公開講座が行われました。まだ紅葉には早かったですが、とても良いお天気で充実した2日間でした。
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まずは講義からです。樹木のことや森を見るときのポイント、 森の持つ機能などを知ってもらいます。 場所は椎葉村の「Katerie(かてりえ)」です。 キッズスペース、図書館、ボルダリングなどのある交流施設です。 とてもおしゃれで機能的で大好きな場所です。 |
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講義のあと、上椎葉ダム(1955年竣工)の見学に行きました。 当時、延岡からセメントを運ぶのに、なんと索道が利用されていたそうです! つまり、60kmにもおよぶロープウェイでセメントを運んでいたとのこと!! 工事の様子がわかるYou tubeを発見しました! このリンクの7:00あたりをご覧ください。 |
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ゆっくり森を歩きながら、森や木の解説をします。 どんぐり拾いもしました! |
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作業はとても簡単。支柱を立てて、それに金網を取り付けます。 |
事務所前に植えたタカネハンショウヅルの花が咲きました.
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タカネハンショウヅル(キンポウゲ科) |
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全体図 ちなみに事務所は外壁工事中 |
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近所の半鐘 |
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実生時代 |
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今年はカタバミ |
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芽生えがかわいい |
宮崎演習林を含む九州山地ではかつて森の地面(林床)の大半はスズタケというササの一種に覆われていました。人の背丈を超える濃いササ藪の中に広葉樹や針葉樹が混生する景観が本来の森林でした。しかし、宮崎演習林では1980年代後半からスズタケの密度が減少し、2000年代初めには限られた場所にだけスズタケが残存する程度に激減しました。その原因はシカ(キュウシュウジカ)がスズタケを繰り返し食べたことによります。シカの個体数の増加に伴い、スズタケだけでなく他の多くの植物もシカに食べ尽くされ、林業的に植栽される苗木も防除柵で保護しなくてはまともに成長することを期待できなくなりました。結果的に演習林の林床は公園のように見通しが良くなり、シカが食べない有毒植物ばかりが繁茂する奇妙な景観を呈するところが増えてきました。スズタケがなくなったことで地面を雨滴から守る落ち葉の層も減少し、雨の度に土壌が流出するなど森林生態系が大きく改変されています。
こうした背景を踏まえ、宮崎演習林では定期的に演習林全域にわたりスズタケの分布を記録して林床の状況の把握につとめています。今回はスズタケが比較的残る津野岳団地を巡りました。
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繰り返し食べられて枯死したスズタケ。桿は枯れても数年は残る。 |
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スズタケの地下茎。白骨のようでもの哀しい。 |
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かくして虚ろな空き地ができあがります。 |