5月に入り、演習林の山頂まで落葉樹の葉が芽吹きました。ヤマザクラもすでに散り、今はエゴノキ、ホオノキ、マルバウツギ、ガクウツギ、ヤマツツジなどの樹木の葉が咲いています。暖温帯に比べて、落葉樹の多い冷温帯では春になって生き物が動き出す様子がより鮮明で気持ちが良いものです。
あかぎ通信
あかぎ通信は九州大学宮崎演習林の職員が,日々演習林での仕事の様子や出来事などを公開するページです. あかぎとは,宮崎演習林内に多く生息するヒメシャラと言う樹木の方言です. みなさまのご来演をお待ちしています.
調査シーズンの到来
九州南部で衰退するブナと希望の光(?)
みなさん、こんにちは。
日本全国で、大気汚染や温暖化の影響などなど、様々な理由でブナ林が衰退していることが報告されていますが、九州南部でも、ブナが衰退しています。
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/895725/
宮崎演習林内のブナも、近年、急速に衰退しているようで、そのメカニズム解明のための野外調査が実施されています。
先日は、K助教の新しいプロジェクトのキックオフミーティングで、三方岳に登ってきました。
まだ開葉前だったので、分かりにくいですが、大枝が一部失われて、なんとなく衰退している様子が分かると思います。
こちらは、すでに枯死してしまった個体です。このような個体が、演習林内の三方岳山頂ではよく見られます。
こちらは、活きのいい個体です。こういう個体も、山頂付近にもまだまだあります。
山頂で、スズタケのひこばえ(と呼んでよいのか分かりませんが、、、)を見つけました。かつては(20年ほど前まで)山一面、林床がこのスズタケで覆われていたらしいのですが、シカの採食の影響で、今はすっかりなりを潜めています。
林床がササで覆われていると、土壌侵食が起こりにくくなります。
生い茂るササ群落は、森林の更新を阻害するという報告もありますが、ササが復活することで、今起きている諸問題のいくつかは解決しそうです。
宮崎演習林はもとより、各地で、鳥獣防護柵を設置し、林床植生を復活させようという取り組みが進行しています。
宮崎演習林やその周辺で、このスズタケが、かつてのように繁茂する日が、これから先、来ることもあるのでしょうか、、、。
ところで、全く話は変わりますが、下山中、美しい白い花を見つけました。
毎年、これはなんだっけ、、、と思う白い花なのですが、そうそう、これは(マルバウツギではなくて)オオカメノキとのことでした。
忘れないように、ここにメモしておきます。
人吉試験地のその後
春よ来い
先日「春の人吉連絡所」という記事が上がりました。山の上の方は春までもう一息という感じ。3/17に境界確認で標高1000m~1400mくらいの場所を歩いてきたので、今回はそんな様子をお伝えしようと思います。
毎年恒例の境界確認 |
全体的には蕾が膨らんできているのが目立っていた印象でした。ここ数日で急激に暖かくなった影響でしょうか。
大きく膨らんだ蕾 |
もちろん開花が進んでいるものもあります。遠くからでもよく目立つので、つい立ち止まって確認を…なんてこともしばしば。
マンサクの花 |
演習林の南側には西米良村がありますが、そのあたりまで行くと山肌にヤマザクラらしきものが目立つようになりました。標高は300m~400m。あと1,2週間もすれば、事務所周辺(標高600m)でもヤマザクラが咲きだすと思います。
2022.3.18 山内(耕)
春の人吉連絡所
オオイヌノフグリ.春ですね. |
水鳥を眺めるのが好きですが,奴らはこの距離でも するすると遠ざかっていきます.切ない. |
技術のIさん,Nさんが構内整備をしていたので近くで眺めていました(手伝ったわけではない).
払った枝を積んでいた場所で立派なカブトムシの幼虫発見 |
もう一匹 |
その後,冬眠中のクワガタとヒキガエルが出てきました.
ヒラタクワガタ.初めて見たかもしれない |
寝起きでぐんにゃりしてます |
そしてすぐに潜る |
カエルも… |
哀しい顔をされました.何かごめん. |
宮崎演習林鳥類データベースより |
九州大学情報システム部長一行来演
令和4年3月8日(火)~3月9日(水)に本学・情報統括本部情報システム部長ほか一行が、宮崎演習林庁舎及び人吉試験地の情報ネットワークルーター更新作業のため来演しました。作業の合間には、宮崎演習林内を案内し、演習林の活動を説明しました。
僻地において情報ネットワークは大変重要な基盤インフラですが、コロナ渦において会議のリモート化、決裁の電子化もすすんでいる昨今の状況から、その重要性はさらに増しています。そのような中で、情報ネットワークについて質疑応答等の機会が設けられたことは大変有意義でした。
2022/3/10 吉本