演習林の花々

 演習林で見られる花々をホームページの表紙で紹介しています。今回はご紹介できなかったものをまとめて掲載しました。

 これからも演習林の動植物や自然を発信しますので,ご覧ください。 

2023.06.26 kubota

ハイノキ(ハイノキ科)2023.5.1

ヤマウルシ(ウルシ科)2023.6.9

ヒメシャラ(ツバキ科)2023.6.15

オオバウマノスズクサ(ウマノスズクサ科)2023.6.20

アワブキ(アワブキ科)2023.6.20

ヤマアジサイ(アジサイ科)2023.6.20


椎葉の樹木

椎葉村の広報誌「広報しいば」に連載されていた「椎葉の樹木」。

索引ページへのリンクは、ホームページ上からいつの間にかなくなってしまっていましたが、せっかくなので復活させました。

人吉から椎葉への道(2)

 (1)の大河内周辺に続き、今回はふもとの人吉球磨の道を紹介します。人吉から球磨盆地を通って奥球磨の湯前、水上に至る部分ですね。


この地図でマークされているのは球磨広域農道、通称「フルーティーロード」。道はよく整備されながら通行量と信号は少なく、通常は最も短時間で水上に到達できます。学生実習を含め、宮崎演習林を訪れる人はほとんどこの道を通るはずです。

茶畑の中を抜け
雑木林の間を登り
開けた畑地へと下り
再び雑木林の間を登る

こうして、畑地と雑木林の間をひたすら登り下りしている間に水上村に到着します。

球磨盆地の広大さを感じられ、特に茶畑の辺りなど広々と気持ちの良い風景もあるのですが、全体としては景色が単調(時に殺風景)、また起伏の激しさから運転しづらい面もあり、便利だけど好んで走りたくはない、というような感想をよく聞きます。

そもそもこの道の何がフルーティなのか?
大抵の人が抱く疑問ですが、私たちも正解を知りません。この農道がつなぐ球磨の町々で果物と茶の生産が盛んなこと由来する(フルーツ+ティー)のではないかと、なんとなく考えられています。

さて、実習や調査で宮崎演習林に来たことがある、という人は大抵フルーティーロードを利用するため、宮崎演習林の最寄りの町は人吉だ、人吉まで行かないと店がない、と思われることが(たぶん)よくあります。少なくとも私は着任前にそう思っていました。

もちろんそんなことはなくて、その間に球磨郡の各町(錦、あさぎり、多良木、湯前、村は除く)があります。その町々の中心部を通っているのが国道219号線。道に沿ってコンビニ、スーパー、道の駅、商店や居酒屋・レストランなどが並びます。

道の駅 錦(左)
サンロード免田店(あさぎり町)
(人吉球磨のみに君臨するスーパーのローカルチェーン)
多良木公立病院(右)
(最寄りの総合病院)
ファミリーマートゆのまえ店
(最寄りのコンビニ)
通行に多少時間はかかりますが、街中の安心感はあるし楽しいです。椎葉側から見ると、湯前、多良木あたりまで下りてくれば生活に必要なものは揃います。ちなみに、写真の最寄りのコンビニまで45分前後、最寄りの病院まで50分前後、宮崎演習林からかかります。


もう一本、フルーティーロードと国道に挟まれて県道33号という道があります。
これは球磨川に沿って走る道で、ちょっとした商店があったり畑の近くを通ったりと、雰囲気もちょうどフルーティと国道の中間的な感じがします。
多良木の古い町並み
フルーティよりも住宅地寄り
所々で球磨川が見えます
なんとなく昔の主要道路だったのかなと思ってましたが、よくわかりません。あまり目立たない道路ですが(たぶん)、かなりスムーズに走れるし、球磨川はじめ風景的な面白さと、一応コンビニなども(錦町まで行けば)あるということで、特に人吉に住んだ最後の1年間はよくお世話になりました。


どの道を通っても、椎葉から峠を越えて球磨盆地まで下りてくると、空が一気に広がります。夏の夕方など、事務所を出た時点で結構暗かったのに、人吉付近ではまだ残照が見られたり。その夕方の風景がとてもいいなあと思っていました。

逆に、椎葉に住んでいた時は、週末に町に下りた夕方、どんどん道が暗く険しくなる方向に帰っていくわけですね。そういう違いは心の持ち方にも大きく影響するのでしょう。


最後にとりとめのない話になりましたが、宮崎演習林では大変お世話になりました。10年後くらいにまた戻るのかもしれませんが。当面は北海道で頑張ろうと思います。

2023.6.14 市橋

人吉から椎葉への道(1)

6月から北海道勤務になり、私(市橋)個人としてはこれが最後のあかぎ通信の投稿です。最後に何を書こうかなと考えていましたが、なぜか椎葉周辺の道の話にしました。

椎葉村は九州山地の真ん中にあたり、交通アクセスが悪いことで有名です。それだけ、生活の中で道路というものを意識することが多かった気がします。

宮崎演習林は椎葉村の大河内地区にあります。
訪問者は多くの場合、熊本南部の人吉から球磨盆地を通り、宮崎県境の峠を越えることになります。ちなみに、私はこの1年間人吉に住んで椎葉まで通っていました。大河内の人たちにとっても人吉あたりまでが生活圏になります。
Google Mapで見る宮崎演習林とその玄関口・人吉の位置
片道50km強

椎葉村周辺は細い山道が続きます。事務所の前を通る国道388号線はかつて(今も?)「酷道」などと呼ばたり。
ずっとこんな感じ
(ドライブレコーダー画像。上部が青いのは車のフロントグラスの色です)
細いだけなら良いのだけど、しばしば対向車が(時々大きなトラックが)やってきます。
絶望を感じる瞬間
着任した頃は運転が本当に憂鬱で、これからあの道を戻るのかと思うと、麓で温泉に入っていてもくつろげませんでした。じきに慣れましたけど。

けれど、最近は少し様子が変わってきました。
もともと、熊本・宮崎県境(湯山峠)を越える峠道は地域でも通りにくい道の一つ(国道としては)だったのですが、私が在任中の5年の間に、じわじわと道が広がり、また見通しも良くなっていきました。
峠付近の同じ場所(2020年と23年)

Google Earthで見る2016年と22年の峠道
空から見えるようになりました
この工事のため長年大胆な通行規制が敷かれている(昼間は決まった時間しか通れない)ことには色々と思うところもありますが、確かにここ1年くらい運転にストレスを感じることがめっきり減った気がします。

住民としては、こうして行き来が楽になることはとても嬉しいのですが、村も宮崎演習林も「秘境」を売りにしているところがあるので、あまり便利になるとアイデンティティに関わってくるかもしれません。

まあ全体として不自由が多いし、台風などの大雨で道が崩れることもしばしばありますが(今回書きませんでしたが大問題です)、色々な動物が歩いていたり、きれいな風景があったりと、面白いこともたくさんあります。
春の道端のお花畑

秋の終わり頃

珍しい大雪
ちなみに最後の写真は、ダンプが立ち往生してしまって道をふさぎ、仲良く待たされているところです(車列の前は宮演のEさんとK先生)。待っている間に私の車も動けなくなり、この後一人で峠に取り残されました。寂しかったです。

人吉球磨の話も書くつもりですが、長くなったのでまた改めます。

2023.6.13 市橋