上の写真は曲げわっぱ、またはメンパとも呼ばれる曲げ細工で、かつて弁当箱に使われていたものです。(宮崎演習林所蔵)
曲げわっぱの弁当箱については、杣人(そまびと:林業従事者の古い呼び名)が愛用していたことでも知られています。彼らの昼ごはんは弁当箱のフタにもご飯をぎっしり詰めたもので、一食あたり2~3合ものコメを平らげたそうです。
昔の山林労働がいかに重労働であったかを物語る逸話ですね。
私たち演習林技術職員の仕事は、森林での作業や調査と多岐にわたります。
昔の山林労働と比ぶべくもないですが、深く険しい山中での仕事では消耗を強いられます。
そんな山での一番の楽しみといえばやっぱりお弁当の時間です。
一仕事終えて、みんな思い思いにお弁当を広げてくつろぎます。
気候のよい時期に山で食べるお弁当はことのほか美味しく感じます。
これは私が愛用しているナラ材の弁当箱で、20年以上現役の丈夫なものです。
本来は2段重ねで使いますが、年相応に今では1段が適量です。
こちらは最近使いだした曲げわっぱの弁当箱。
たまに弁当箱を変えたら気分も変わるのでは、と妻が気遣って新調してくれました。コンパクトながら安定したスタイルで気に入っています。
同僚たちのお弁当も紹介したかったのですが、あっさり断られました。
さて、今日も手作りのお弁当を携えて、サラメシならぬヤマメシを励みに山へ出発します。妻への感謝と元気に帰ってくることを胸に秘めつつ。
「行ってきます!」
2020.12.1 D.O