人吉連絡所の被害の状況

みなさんご存知のとおり、7月3日夜から4日昼にかけて、人吉球磨地域を中心に非常にたくさんの雨が降りました。そして、球磨川が氾濫しました。我々九大宮崎演習林は椎葉村にありますが、その玄関口である人吉市に連絡所(事務所)と官舎が1件あります。何人かの職員は人吉や球磨郡に住んでいます。今回の大雨により、事務所と官舎が床上浸水しました。ニュースに映る人吉や球磨の様子をご覧になって、多くの方に心配いただきました。被害はあったものの、我々は元気にしています。復旧もすこしずつですが、進んでいます。今回はブログの場を借りて、被害や復旧についてご報告させて頂こうと思います。



人吉市の降水量を、気象庁HPから取ってきました。

7月3日 121mm
7月4日 299mm

これまでの人吉市で観測された最大日降水量は1995年7月3日の331㎜で、同年7月4日には198㎜降っているので、1995年の方が人吉に降った雨は多かったようです。でも、その年には今回のような氾濫は起こっていません。降水量だけでははかれないものですね。今回は強い雨が球磨川流域全域に降ったことが、このような酷い水害をもたらした一因となっているのかもしれません。

それでは時系列で写真で被害の様子を紹介していきます。

7月4日。敷地内にある官舎(平屋)に住んでいた技術職員が事務所2階に避難していたので、事務所周辺の様子を写真で記録することができました。


人吉市の全景です。赤丸の部分が我々の事務所です。
球磨川の目の前に立っています。
連絡所の右上あたりに人吉駅があります。

7/4 10時頃、このときが浸水のピークということでした。
8時過ぎに事務所への浸水が始まったみたいですが、
それから2時間程度で1m程度まで水位があがったようです。

15:05 水が引き、外に出られるようになりました。
でも、事務所前の球磨川沿いの道は、事務所敷地よりも低いため
まだ浸水している状態です。

7月6日 被災した職員は、4日から多良木町の職員宅に避難していましたが、この日、避難してから初めて、事務所に訪れることができました。(5日は渋滞や市内の道路状況の悪さから、事務所に行くことをあきらめました。)


事務所隣の道は泥がすごくて車は入れません。
浸水後も雨が降り続いたため、この状態は数日続きました。

官舎の外壁です。浸水は1.3m程度だったとのことです。

官舎の中です。
押し入れ上段まで浸水していました。
部屋の中は泥だらけです。

事務所は道よりも1.5mくらい高い位置にあったため、
この程度の浸水で済みました。

事務所敷地内には大量のドロが流れ込んできました。

温室内にもドロが堆積しています。
このドロを出す作業がとても大変そうです。
(まだ手付かず。。。)
事務所室内は水をたっぷり含んだ泥が数センチ堆積していました。
下水とガスと灯油のまじった匂いがしました。。


 7月9-10日、福岡から職員4人が復旧支援に来てくれました!この日から本格的な復旧作業が始まりました。事務所内にはとても大きくて重い棚などがたくさんあったので、福岡から応援に来てくれて本当に助かりました。まずは事務所の中のものを全て出さないと、何もできません。。


近隣の住宅です。
本当に甚大な被害です。

人吉温泉の有名な旅館です。
玄関棟は1933年に建てられた国登録の有形文化財だったのですが、
ショッキングな姿となってしまいました。。
今回の水害で多くの旅館が甚大な被害を受けています。
今後、復旧して再び訪れる日が来ることを、心の底から願っています。。

官舎もすっかり空っぽになってしまいました。。

事務所内も高圧洗浄機でドロを出すことができました。


九大を退職された技術職員OBも手伝いに来てくれました。
ありがたいことです。
70過ぎていますが、誰よりも頼りになります。

敷地内の泥を出すのに、ホイールローダーをレンタルしました。
ということで、災害発生から直後の復旧の様子でした。また、改めて、復旧の様子を投稿します。