森林科学入門(山岳森林コース) 後半

前半に引き続き、後半を紹介していきます。


道の途中に苔むしゾーンがありました。
ちょっとした谷部になっていて、
岩が集まってそれにコケがついたようです。

袋の中に葉っぱがいっぱい!

森を出ました。
ここは必ず(市橋さんは)立ち止まるスポット、
そうです、マツブサちゃんのいるところです。
マツブサのにおいが(市橋さんは)大好きです。
今回の実習で色んな葉っぱや枝のにおいをかぎました。
カツラ、コブシ、ミヤマシキミ、シキミ、ミズメなどなど。
どのにおいが一番好きですか?(私はコブシです。)

帰ってきたらグループごとに研究テーマの相談です。
グループで相談してきた内容を教員・技術職員に説明してもらい、
4日目の調査の内容に落とし込んでいきます。
全グループ、とても面白そうなテーマを作り上げました!こうご期待~~


4日目
いよいよ、各班調査に行きます。1-3日目は丸十エリアと呼ばれる比較的アクセスのよい場所に行っていたのですが、4日目は研究材料にあわせて場所を選びます。


1班は樹種や下層植生の有無によって土壌水分がどのように変わるかを調べました。
もっとも過酷な調査となったようです。
これはササありプロット。さて、どこに人がいるでしょう??
人が見えないくらいササが茂っているので、ここを歩くのは大変です。
さらにここは急斜面なので、ここで調査するのは本当にハードなのです。
(本来はもっと密度の高いササが生育していました。)

こちらは若い人工林。
本数がとても多いので、歩くのも大変です。

こちらは皆伐跡地。不成績造林地です。
夏になると草本類が背丈を超す高さに成長し、過酷なヤブ漕ぎとなったようです。
こんな大変な調査だったにもかかわらず、1班の学生さんたちは
さわやかに、「大変でした!でも楽しかったです!」と言ってました。
スゴイ・・・、、お疲れ様でした!!

2班のテーマは様々な樹種で葉っぱと葉柄の長さの関係を調べることです。
1-3日目に樹木を覚える際に、樹種によって葉柄が長いことに
疑問をもったようです。(特にツルは長かったですよね~~)
葉っぱ取りに大藪・まきはなあたりに行きました。
目的の樹種を探すのに一苦労です。


無事に葉っぱを採取し、近くの御神の滝にて昼食。
御神の滝は冬になると凍るんです(コレとかコレとか、見てみてください!)



3班は大藪川(一ツ瀬川の支流)の源流から一ツ瀬川に合流するまで、
水温や水質がどのように変化するのかを調べました。
最初はこんなにチョロチョロとしていた大藪川が
最後には大きく立派な川になっていく様子を改めて見ると
とても感動的な思いを感じました。

御神の滝も大薮川です。
上流の方は冷たすぎて手がジンジンしましたが、最後の採水地点では
ちょうどよいくらいの水温で水遊びができるくらいでした!

このあとそれぞれのグループは講義室に戻って、葉っぱの面積を測ったり、樹冠写真から開空率を出したり、水のpHを測ったりして、プレゼン準備を行いました。

5日目
いよいよ最終日。

3班は水温が標高とともにあがることや、
天然林面積とともにpHがあがることを発見しました!
とても面白い結果ですね。
宮演は川がとても綺麗で自然のまま残っている支流がたくさんあります。
こんなに良いテーマにこれまで気づきませんでした。
今後、このテーマで実習を行いたいと思います!
調査もとても楽しいですしね!!

1班は土壌水分が森林タイプによって大きく異なること、
特にササありサイトでは土壌水分が低くなることを明らかにしました。
ひとつの森林内では土壌水分のばらつきはリター厚さなどで説明できなかったものの
森林間の違いはリター厚さと関係あることが分かりました。
林分内、林分間の違いや林分内のばらつきに着目していて
とても鋭い着眼点だと感じました。たくさん測定したからこそ、
見つけることのできた結果だと思います!素晴らしい!!

2班は葉柄と葉の関係を調べました。
たくさんの樹種で調べて、葉柄と葉の長さには強い正の相関があること、
その関係性は樹種がかわってもおおむね同じであるが
樹種によっては全然異なる比率であることも分かりました。
これは卒論で出来るテーマですね!もっと色んな樹種のことを知りたいし
個体内でも日の当たるところ、当たらないところで
どの様に変化するのか(あるいはしないのか)を知りたいです。


最後にひとことずつ感想です。
みなさんがとても熱心に参加してくれて、
職員一同とても刺激的な1週間となりました!
みなさんとまた再会できること、そして、
今度はもっと本格的な調査を椎葉で行ってくれるといいなと思っています!!

最後にみんなで記念写真!楽しく充実した1週間でした!!
ありがとう~~~!!!


おまけ① 今回の実習の食事は佐々木さん
椎葉村の地域おこし協力隊テレビでも紹介されていました)が
作ってくださいました。佐々木さんは東京などで修業をして来られた本当の料理人。
「学生からはもうけなんてとれない」という心意気で、
採算無視でとても豪華な夕食&朝食でした!!
最終日はせっかく椎葉に来たのだから、ということで
シカカツ(低温調理したあとにカツにするという手の込みよう)&トンカツカレー!
学生のアンケートでは、食事が最も印象深かったという意見もありました。
(嬉しいような、悲しいような・・・笑)
本当に毎日おいしく頂きました。ごちそうさまでした!!!


おまけ② 今年の学生さんはとても礼儀正しく、常に5分前行動で、
演習林スタッフは驚かされっぱなしでした!!
施設の使い方もきれいで、事務職員さんたちはとても感謝していましたよ~
こんなにきれいに靴を脱ぐ学生さんたちは初めてです!


Katayama