生態水文学実習・森林水文生態学特論

9月24日~27日に生態水文学実習・森林水文生態学特論が行われ、九州大学農学部の修士1年生が4名、新潟大学の3年生が1名受講しました。遠いところからお疲れ様でした。

来年の2月末にもう一つ学生実習が残っているとはいえ、宮崎演習林で行われる夏季の学生実習はこれが最後になります。

24日の1日目は15時ごろに演習林に到着、実習の目的や降雨による土壌の浸食メカニズム、研究例などについての講義を受講した後、恒例のBBQで親睦を深めました。

2日目はさっそくフィールド調査です。降雨によって流れ出る土砂量の計測、林内雨と林外雨の量の違い、土壌サンプリング等を行いました。

フィールド内に設置された土砂量計測用のバケツ。全部で34個のバケツがあります。

バケツ内部の様子。思ったよりリターがたまっていたみたいです。

特殊なカメラを使って林冠を撮影する学生。何かの儀式にも見える...
2日目は午前中を使って三方岳へ。傾斜地で土壌が流れ出ることによって露出した根っこの観察を行いました。

見渡す限り真っ白でした。

ブナなどの樹幹流が激しい樹種は根の露出も著しいようです。

真剣に話を聞く学生たち。
かなりの急傾斜を登り降りする半日でしたが、さすが長く森林系の学科にいることもあり、皆さん余裕そうでした。天気は残念ながら悪く、景色はあまりよく見えませんでしたが、いい勉強になったのではないでしょうか。
午後は1日目のフィールド調査の解析作業のため内業。22時半頃までかかったようです。

雨の日は一般的にはマイナスなイメージがありますが、雨が降っていたため実際に樹幹流が流れる様子を観察できたので、一概に悪いとも言い切れないですね。

                         2019.9.27  山内 (耕)

森林計画学実習

8月27日~30日に森林計画学実習が行われ、九州大学農学部の3・4年生7名が受講しました。

1日目は、朝福岡を出発。湯前町にある森林管理署の施業地を見学し、夕方宮崎演習林に到着しました。長時間&山道の移動おつかれさまでした。
夜はBBQで英気を養い、明日からの演習林内での実習に備えます。

2日目は、演習林内の造林地や調査地の見学を行いました。

カラマツ伐採跡地に植栽したヒノキ(24林班)
立木販売による売上と、育林にかかるコストを学び、林業で収益を上げるためにはどうすればいいかを検討しました。ちなみに、宮崎演習林の育林作業では、シカネットの設置・維持管理に1番費用がかかっています。

学生の調査風景
福岡から調査に訪れていた学生の作業を見学させてもらいました。宮崎演習林に自生している低木をサンプリングし、木材の性質を調べています。

御神の滝で記念撮影
連日の雨で御神の滝の水量も増え、マイナスイオンを全身で感じました。
御神の滝の入口で早々にヒルと遭遇しましたが、誰も被害にあうことなく滝を見学でき一安心です。ヒルがいなければもっと気軽に足を運べるのですが・・・。

水切り大会
ここに来ると自然と始まる水切り大会。綺麗なフォームですね。

 
3日目は三方岳登山を行いました。三方岳(1,479m)は、宮崎演習林内で津野岳(1,607m)に次いで2番目に高い山です。

アセビに閉ざされた三方岳山頂付近
山頂付近は数10mにわたってアセビ林になっています。綺麗に1列に並んで、アセビ林の中を通る細い登山道を進みます。

三方岳登頂
三方岳山頂にて記念撮影。 みなさん余裕の登頂でした。
農学部の3・4年生にもなると、山歩きの装備もしっかりしていますね。

この世の終わりで眠りにつく学生たち
三方岳の山頂手前では、ブナの立ち枯れが目立ちます。その荒涼とした景色から「この世の終わり」と今回名付けられました。昼休憩中には、登山で疲れた体に、満腹感と心地よい風が眠気を誘い、昼寝を始める学生たち。


4日目は水上村にある市房神社を見学し、福岡への帰路につきました。
   
市房神社の巨大スギ
参道沿いの巨大なスギは、何度見ても圧倒されます。樹齢は約1,000年だそうです。


学生のみさなん4日間の実習お疲れさまでした。卒論研究等で、宮崎演習林に再び訪れてくれるのを楽しみにしています。

2019.09.06 murata