象徴的な風景です。
場所は宮崎演習林第28林班、広野山(1272m)の山頂直下。
稜線の左側がキレット状に崩れているのが分かります。
一ツ瀬川を挟んで対岸を望むと、高塚山(1290m)の稜線が大きく崩壊しています。
九州脊梁山地の只中にあり、一ツ瀬川の源流に位置するこの地域は、高標高で急峻な地形です。
それに加えて多雨地帯なので、水害、土砂災害の多発地でもあります。
そのため、例年、梅雨~台風時期になると災害は身近なものとして警戒されています。
上掲の写真、災害の爪あとではありますが、少し視点を変えてみましょう。
誰もが小学生の時、理科の授業で習ったと思います。
日本の国土は、山地からの土砂を川が下流に運び平野部と海岸線をつくった、と。
眼前に広がるのは、源流域が崩れ、川がその土砂を下流に押し流す、まさにその景色です。
その最前線を目の当たりにしている、そう思うと感慨深いものがあります。
椎葉村大河内、源流の地に宮崎演習林はあります。
(2019.05.16 D.O)