椎葉村大河内地区の作物体系

椎葉村大河内地区では焼畑を「ヤボ」,火入れしない普通の畑を「ジョウバタ」と呼称していました。下の表は年間を通じた大河内地区の作物体系を示しています。主食であるヒエが最も重要な作物でしたので,新たに「木おろし」(畑にする森の木々の伐採の意味)を行います。伐採した森に火を放ち(火入れと呼称します)林地に樹木の灰を肥料として残します。火入れ1,2年目は最も肥沃な土壌になりますので,ヤボには主食であるヒエを主に作りました。次に少し土壌の養分が少なくなってきたヤボには小豆や大豆といった多少痩せた土地でも成長できる作物を栽培しました。土壌の養分の変化に伴い栽培植物の種類をきめ細やかに把握していた事がわかります。

大河内地区の作物体系.作付面積により棒グラフの幅を大(0.5ha 以上),中(0.1~0.5ha),小(0.1ha以下)に区分し,作付頻度の高い作物を黒色,中程度を灰色,低い作物を白色で示す.

 (2011椎葉と内海)