(1)の大河内周辺に続き、今回はふもとの人吉球磨の道を紹介します。人吉から球磨盆地を通って奥球磨の湯前、水上に至る部分ですね。
この地図でマークされているのは球磨広域農道、通称「フルーティーロード」。道はよく整備されながら通行量と信号は少なく、通常は最も短時間で水上に到達できます。学生実習を含め、宮崎演習林を訪れる人はほとんどこの道を通るはずです。
茶畑の中を抜け |
再び雑木林の間を登る |
こうして、畑地と雑木林の間をひたすら登り下りしている間に水上村に到着します。
球磨盆地の広大さを感じられ、特に茶畑の辺りなど広々と気持ちの良い風景もあるのですが、全体としては景色が単調(時に殺風景)、また起伏の激しさから運転しづらい面もあり、便利だけど好んで走りたくはない、というような感想をよく聞きます。
そもそもこの道の何がフルーティなのか?
大抵の人が抱く疑問ですが、私たちも正解を知りません。この農道がつなぐ球磨の町々で果物と茶の生産が盛んなこと由来する(フルーツ+ティー)のではないかと、なんとなく考えられています。
さて、実習や調査で宮崎演習林に来たことがある、という人は大抵フルーティーロードを利用するため、宮崎演習林の最寄りの町は人吉だ、人吉まで行かないと店がない、と思われることが(たぶん)よくあります。少なくとも私は着任前にそう思っていました。
もちろんそんなことはなくて、その間に球磨郡の各町(錦、あさぎり、多良木、湯前、村は除く)があります。その町々の中心部を通っているのが国道219号線。道に沿ってコンビニ、スーパー、道の駅、商店や居酒屋・レストランなどが並びます。
道の駅 錦(左) |
サンロード免田店(あさぎり町) (人吉球磨のみに君臨するスーパーのローカルチェーン) |
多良木公立病院(右) (最寄りの総合病院) |
ファミリーマートゆのまえ店 (最寄りのコンビニ) |
もう一本、フルーティーロードと国道に挟まれて県道33号という道があります。
これは球磨川に沿って走る道で、ちょっとした商店があったり畑の近くを通ったりと、雰囲気もちょうどフルーティと国道の中間的な感じがします。
多良木の古い町並み |
所々で球磨川が見えます |
どの道を通っても、椎葉から峠を越えて球磨盆地まで下りてくると、空が一気に広がります。夏の夕方など、事務所を出た時点で結構暗かったのに、人吉付近ではまだ残照が見られたり。その夕方の風景がとてもいいなあと思っていました。
逆に、椎葉に住んでいた時は、週末に町に下りた夕方、どんどん道が暗く険しくなる方向に帰っていくわけですね。そういう違いは心の持ち方にも大きく影響するのでしょう。
最後にとりとめのない話になりましたが、宮崎演習林では大変お世話になりました。10年後くらいにまた戻るのかもしれませんが。当面は北海道で頑張ろうと思います。
2023.6.14 市橋