萱原山で調査

11月11日、この日は私にとってはとても思い出深い日となりました。というのも、萱原山に登ったからです。

萱原山、それは我らが市房山山系に位置する標高約1300mの山、頂上を含む多くのエリアが九大宮崎演習林の一部となっています。現在、宮崎演習林内の全域で森林の調査を行う「全域調査」を展開していて、今回はその調査として、萱原山に登ることとなりました。


これが萱原山!車の通れる道は谷間にしかありません。。

お、お、お、恐ろしい・・・。普段、なまけきった生活をしている私にとっては、この山を登って調査できるのか、調査が決まった日から萱原を見上げるたびに不安が襲います。。。

なんといっても、車を置いた場所からの高低差が約700m!登山する人にとってはたいしたことないかもしれませんが、6年前に雌阿寒岳を登ってとてもひどい筋肉痛になってしまった私にとっては、同じような高低差で調査付きで、かつ、6年もの歳を取っている、その様な条件を考えると、今回の調査、本当にみんなについていけるのか、足手まといにならないか、とても心配でした。

そして、やってきたXデイ、快晴ではないものの天気はなんとかもちそう、ということで登山開始。最初は林道から始まり、快調に歩くも、尾根に出てからはとても登山道ではあり得ないような急斜面を登っていきました。Google earthで見ると斜度は全体で37度!少し登っては休憩、足だけではしんどいので四つん這い状態で手も使って登る、そして休憩、そんな感じでなんとか頂上まであと100m!というところでひとつめのプロットをはり、調査を行いました。

調査自体はシンプルなので、調査することで休憩がとれ、そして3プロット終わったところで昼ごはんとなりました。あいにくこの日は風がとても強く、尾根に出ると吹き飛ばされそうになります。なので、斜面裏に隠れてつかの間の休憩を取りました。

このあたりの高標高の尾根はどこも「この世の終わり」が広がりつつあります。三方岳の様子はこちら。これは冬季の強風、土壌の凍結融解、ササ消失による土壌浸食の加速などが関係しているのではないかと思っています。ここ萱原も、三方に比較するとまだましですが、やはり枝枯れや枯死が進みつつあるように思います。

こういう尾根には立派なブナやミズナラがいます。(萱原にはミズナラが少なかったのですが、、)この様な大径木がいなくなってしまうと、この山はどうなってしまうのでしょうか、、心配でなりません。。。

さて、昼食の後あとほんの少し登って、次のプロット行こう!と歩いていたら、山頂を通り過ぎていました。マイナーな山なので山頂も控えめにしか主張していませんでした。

下りは調査のため、道なき道(もともと道はあってないようなものですが、、)を下る、調査する、下る、調査する、を繰り返し、そして沢にでました。こ、こわい、、すすすすべる、、、、という沢沿いを下り、最後のプロットを調査し、ドキドキしながら沢をさらに下り、無事に降りてきました。ああ、怖かった。

終わってみると「あー、楽しかった!」という気持ちになり、萱原を見るたびにこれまでとは違う親しみが湧いてきます。でもまあ、しばらくは登らなくてもいいかな。登るにしても、もっと暖かいときがいいな。


宮崎演習林事務所付近から萱原山を眺める。真ん中の山が萱原です。


2019.11.29 ayumi