スズメバチの巣の中

 去年の夏、人吉試験地の生垣の中にスズメバチの巣が見つかりました。

たぶんコガタスズメバチ
下に写真がありますが、それほど小型には見えません

発見した技術班によると、非常におとなしい?のでしばらく様子を見ましょうとのこと(事務所構内で発見されると通常は取り除いてくれる)。

すぐ後ろの職員宿舎に住まわせていただいている身としては、えっ?と思わないでもなかったけれど、まあそういうことなので遠くから見守っていました。

バリケードは作った

結局、家の方には飛んでこないし、巣に近づいても別に気にしてなさそう(本当におとなしそう)だったので、こちらも気にしなくなり、忙しく出入りする働きバチをぼんやり眺めているようなこともありました。


そうして平和に冬を迎え、空き家になった巣を収穫して中を覗いてみたのでご紹介します。

4層見えますが一番下を落としてしまったので5層構造
下層ほど新しく(後の時期に)作られたもののようです

下層はきれいなハニカム構造が残り、
冬までに羽化できなかったのであろう蛹も残っていました
ついでに成虫の死骸もいくつか出てきました。びっくりした。
その下に映っているのが巣の一番下の新しい層で、ここはほとんど羽化できなかったよう

あの巣の中ってこんな感じなんですね。これまで何となく気になりつつ、けれど巣からは逃げ続けてきたので本当に初めての経験でした。立体構造や質感の美しさも含め、とても迫力を感じました。
細部もきれい

おまけで、これも前から何となく気になっていたサルノコシカケ(の仲間の何か)を先日切ってみた時の断面写真です。枯れ木や生木の幹に生え、木材を分解して栄養を得る、そして年々大きく成長していくタイプの固いキノコです。

のこぎりで切って軽くやすり掛けした断面

内部はほとんど木材というか、コルクのような質感でした。年輪のような層構造が見えますね。これが年に一つづつ規則的に増えていくものなのか私は知りませんが(ちょっと調べればわかることだと思いますが、とりあえずすみません)、何かしら成長のパターンを反映しているように見えます。

これもまた、ああこんな感じなんだと初めて知ったのですが、やっぱり外から眺めているだけでなく、ちゃんと手に取って見てみないといけないなと改めて思いました。

2023.5.13 市橋