九州南部で衰退するブナと希望の光(?)

 みなさん、こんにちは。

日本全国で、大気汚染や温暖化の影響などなど、様々な理由でブナ林が衰退していることが報告されていますが、九州南部でも、ブナが衰退しています。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/895725/

宮崎演習林内のブナも、近年、急速に衰退しているようで、そのメカニズム解明のための野外調査が実施されています。

先日は、K助教の新しいプロジェクトのキックオフミーティングで、三方岳に登ってきました。


まだ開葉前だったので、分かりにくいですが、大枝が一部失われて、なんとなく衰退している様子が分かると思います。


こちらは、すでに枯死してしまった個体です。このような個体が、演習林内の三方岳山頂ではよく見られます。


こちらは、活きのいい個体です。こういう個体も、山頂付近にもまだまだあります。


山頂で、スズタケのひこばえ(と呼んでよいのか分かりませんが、、、)を見つけました。かつては(20年ほど前まで)山一面、林床がこのスズタケで覆われていたらしいのですが、シカの採食の影響で、今はすっかりなりを潜めています。


林床がササで覆われていると、土壌侵食が起こりにくくなります。

生い茂るササ群落は、森林の更新を阻害するという報告もありますが、ササが復活することで、今起きている諸問題のいくつかは解決しそうです。

宮崎演習林はもとより、各地で、鳥獣防護柵を設置し、林床植生を復活させようという取り組みが進行しています。

宮崎演習林やその周辺で、このスズタケが、かつてのように繁茂する日が、これから先、来ることもあるのでしょうか、、、。


ところで、全く話は変わりますが、下山中、美しい白い花を見つけました。

毎年、これはなんだっけ、、、と思う白い花なのですが、そうそう、これは(マルバウツギではなくて)オオカメノキとのことでした。

忘れないように、ここにメモしておきます。



2022/4/25 TK