ブナの豊作と凶作

トップページの写真でも紹介されていますが、
今年の4月、林床にブナの実生を見つけました!

ここ、九州南部はブナの生育域の南限とも言われていて、
気候変動やシカの影響などなど、 その存続が危ぶまれている地域でもあります。
ブナの結実には豊作、凶作があって、豊作は数年から数十年に一度しかない、
なんて言われています。

宮崎演習林に異動して1年たらずで、次世代を担うこの実生
をみることができ、とても嬉しいです。




昨年4月から、高知大学の市栄教授との共同研究で、
ブナの豊凶や結実メカニズムに関するモニタリングを開始しました。

 今月までにとりためた写真を連続でご紹介します。 

昨年の4月には、大きな花芽ができていて、
それが実になっていく様子がわかります。
10月にはもう結実して、散布されているのが分かります。

モニタリングをはじめたのが昨年からなので、はっきりとは言えませんが、
昨年は久しぶりの豊作年だったのでしょう。 

予想のとおり、今年の4月は、冬芽が小さく、花は咲きませんでした。

連続写真をみると、葉のフェノロジー(生物季節)もよくわかります。

宮崎演習林のブナは5月に展葉して、10月には落葉を開始し、
11月にはほぼ葉がなくなっている様子が分かります。 

台湾など、暖かいところで暮らしてことが多かったためか、
半年間の生長期間がとても短く感じます、、、。

季節変化がはっきりしているのは、とても楽しいですが、
なんだか一年が終るのが早いですね、、、。

2021.5.21 TK